日本衛星ビジネス協会

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設立目的

SF作家アーサー・C・クラークが「2001年宇宙の旅」において、3機の静止衛星で地球全体をカバーする通信網のアイディアを発表した1945年から60年以上の月日が経ちました。当時、人工衛星は夢物語に過ぎず、ツォルコフスキーが残したもう一つの夢物語−ロケット−ですら実用化には至っていませんでした。しかし1957年にスプートニク1号衛星が打ち上げられて以降、衛星技術は劇的なスピードを持って発展を遂げ、現在もその勢いは続いています。近年ニュースで取り上げられる衛星たちは 「探査」を目的とするものが多く、遥かなる宇宙という時空の果て−人間の壮大な好奇心−を追い求めて太陽系の外へと彷徨いはじめつつあります。しかし一方で「放送」、「通信」、「気象」(ひまわり)、 「測位」(GPS) など、衛星は私たちの日々の生活には無くてはならない役割を世界中で果たしているのです。

日本では1963年に初めての衛星中継実験が行われました。(このときはケネディ大統領の暗殺がテレビで伝えられました。)以来国際化の進展に伴いオリンピックなどの海外の映像素材の需要が高まり、日本への素材伝送に衛星が活躍しています。1989年に衛星放送が始まると衛星は急速に日本の家庭との直接の繋がりを持つようになりました。また、2004年10月の新潟中越地震或いは同12月のスマトラ沖地震では、甚大な被害を被った地上の基幹ネットワークに代わって衛星が通信ネットワークを担い、災害対策や復興における衛星の役割が再認識されました。今後はユビキタスの一形態として、衛星によるブロードバンド通信−軽量の可搬型地球局による広帯域通信−の技術革新が期待されます。

日本衛星ビジネス協会は、米国に本部を置く「SSPI」(Space and Satellite Professionals International)の東京(日本)支部として1985年に設立され、1990年に、支部活動に留まらず、国内での広範な活動を指向して「日本衛星ビジネス協会」に改組された個人会員制の非営利組織です。 日本の衛星通信の発展に関わり、また貢献された方々を会員として、本協会は20年以上に渡り情報共有の場(Society)を提供し、活動を続けてきています。
情報通信網が高度化・高速化・広域化する中で、衛星に期待されている役割は重要度を増しています。本協会は、これからも衛星ビジネスや技術の諸分野に関心を持つ多くの方々に最新の動向を共有する場を提供し、広く公共に対して衛星事業の理解を深めることを目的として活動を続けてまいります。