日本衛星ビジネス協会

資料室 ARCHIVES

会長挨拶

会長 大和久 徹 顔写真
会長 大和久 徹

日本の衛星中継は、1963年米国のケネディ大統領暗殺を伝えるニュース映像が始まりでした。それから40年以上が経ち、2千万に迫る世帯で衛星放送が楽しまれるなど、衛星の役割はますます大きなものになっています。通信の世界においても、1985年の通信自由化を機に衛星通信システムの研究・開発が本格化し、1989年には民間企業による衛星通信サービスがスタートしました。以来、日本の衛星ビジネスは、激しい市場競争に晒されながら大きな進化を遂げてきました。

衛星ビジネスと一口にいっても、衛星の開発・製作から、ロケットによる打上げ、衛星管制、放送・通信サービスなど、ハード・ソフト両面にわたって広いビジネスレイヤーが存在します。しかし、どのレイヤーにおいても必要とされるのは、衛星の「安定的継続性」、それを実現する「信頼性」、そしてマーケットで勝ち抜いていく「経済性」です。この3点こそが、衛星業界の将来の持続的発展のために不可欠な課題だと考えています。同時に、衛星という特殊な存在を扱う業界ですので、その技術・運用ノウハウを世代を超えて蓄積・継承していくことが不可欠になります。人材育成なくしては、衛星業界の発展は望めません。こうした課題を業界全体で解決するために、専門を異にする多種多様な関係者が人的交流を図り、情報を共有することが大変重要です。

当協会は、1985年に米国SSPI(Society of Satellite Professionals)の東京支部として発足。その後1990年に、国内の活動をより広範に、また人的交流の一層の多様化を目指して、現在の「日本衛星ビジネス協会」に改組されました。当協会には、国内の衛星設計・製造メーカ、衛星オペレータ、放送・通信事業者、コンサルタント、学者などの多様な人々が集まり、講演会や施設見学会を通じて広く情報の共有を図っています。同時に、学生主催のフォーラムや展示会への協賛・後援も積極的に行い、これらを通じて若い人材の育成・支援を行っています。

これからも衛星ビジネスの発展に寄与するよう、会員ひとりひとりが協力していきたいと思いますので、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

以  上