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ビジネス事例紹介

NTTドコモの衛星携帯電話サービス

NTTドコモでは、昭和27年より沿岸を航行する船舶向けに船舶電話サービスを提供してきましたが、平成8年3月に国内通信としては初めての衛星携帯電話サービス(ワイドスター・サービス)を開始、船舶電話サービスの通話エリアを大幅に拡大するとともに、陸上においても携帯電話ではカバーできない地域や災害により地上回線が被災し利用できない場合での音声・データ・FAXでの通信を可能としました。
平成12年3月には衛星船舶パケット通信サービスを追加し、船舶におけるデータ通信の利便性を向上させました。さらに、平成16年4月には陸上可搬および車載においても衛星パケット通信を利用可能としました。
現在、陸上(可搬、自動車)および船舶向けに音声、データ(回線交換およびパケット)通信サービスを提供しております。

本サービスは、静止通信衛星N−STARaおよびN−STARbの2機の衛星によって運用を開始し、現在は、平成14年7月打ち上げられたN−STARcおよびN−STARd(平成18年4月に打ち上げられたJCSAT−5A衛星の中継器を使用)の2機によりサービスを提供しております。これら2機の衛星は、これまでの衛星に比べ、容量および性能が向上しており、より安定したサービスを提供できるだけでなく、将来の高度な衛星通信の実現を可能としております。

衛星〜移動端末間のサービスリンクにはSバンドを、基地地球局〜衛星間のフィーダリンクにはCバンドを使用しております。

ワイドスター・デュオ外観図

本サービスの加入者は、平成18年6月末現在で、約3.8契約(船舶:約1.5万、陸上:約2.3万)です。船舶では漁船、貨物船を中心に幅広く利用されております。また、陸上では災害対策用としての利用が多く、上越地震や最近の風水害・雪害等において復旧活動における連絡手段として、あるいは被災地域の臨時電話として利用され、その有効性が広く認識されております。
また、社会貢献活動として、山科鳥類研究所による鳥島あほうどり繁殖地の観測や、琉球大学による西表島イリオモテヤマネコの生態観測等に対し、現地画像の伝送装置の設置により協力してまいりました。

また、「衛星電話が便利であることはわかるが、初期費用が高いので・・・」という声にこたえ、衛星携帯・自動車電話の導入に伴うお客様の初期費用負担を少しでも軽減するために、平成18年2月より、月々のお支払いで衛星携帯・自動車電話がご利用いただける「月々お支払いサービス」を開始しました。特に災害対策用としてご利用のお客様は、常日頃使用することがないために、いざというときに使い方がわからないとか、電池が切れて使えなかったという事例が見られましたが、本サービスでは音声応答装置や衛星掲示板を準備することにより定期的な通話確認が可能となっております。

なお、平成15年11月28日に「衛星移動通信サービスの現状の動向と今後の展開」と題して当協会で講演させていただいており、SSPI NEWS NO.31に掲載されておりますので、あわせて参照願います。